サワンナケートから (vol_09)

ラオスの絣は「よこがすり」で、模様通りに括ります。括り糸をずらして織ることはしません。括り台の前に座って、頭の中にある模様を端から順に括っていきます。間隔も目分量ですがきちんと揃っています。括り台の巾を筬巾に調整してから、糊付けした手紡ぎ糸をぐるぐる巻きます。括り台のたての棒の長さを二十段に分割して、各々に四十回転づつ巻くと、シン二枚分の絣糸になります。シン一枚分の布の長さは一端を掴んで肩の高さで横に伸ばし、身体の中央の位置で折って、二重にした長さです。だから織り手によってかなりの誤差があります。今回のように、新しい布を作る場合はメートル単位を使う必要があり、達人たちと相談した結果、シン二枚分に近い4mなら全く同じ柄、色を作る自信はあるが、8m出来るよう努力してみる、という事で、布のロットを8mにすることにしました。一番最初に取り掛かった布は、途中で絣糸が足りなくなって、もう一度括ったり、染めたりと、とてもモタモタしてしまいました。絣糸と絣糸との間に、二段ないしは四段の地糸を織りますが、新しい柄は地糸の段数が一定していないので、織り手の横にずっと座って、時には自分で織ったりしながら、段数を合意して行きました。

 

記念撮影

ソンカンやソンバッティには、日本に持ち帰りたい見本織りの説明をあらかじめしてありましたが、彼女達は一週間あれば出来ると考えて、達人たちと約束していたのでしょう。月曜日にやってきた達人たちは、金曜日になると、「明日村へ帰る。」と言い出したのです。見本織りはやっと始まったばかりで、一作目がようやくスムーズに織れるようになった所なのになんと言う事だろう、と戸惑っていると、ブントンさんが達人たちを集めて、例の身振り、手振りで、面白おかしく説得して、この土日は村へ帰って、月曜日に再び来てくれる、と言う事になって、ほっとしたのでした。それから後の二週間は、戻って来た達人四人とソンカンと私とで、染色、糊付け、整径、整織、仕上げ、等々手分けして協力し合い、毎晩八時過ぎまで、土日も休まず、作業を続けました。予定していた作業が終わり、達人たちがラハナム村へ帰る前日、織り上がった布を晴れ上がった青空のもと、竿いっぱいに掛けてその前で記念撮影をした時、彼女たちに盛大な拍手を送りたいと思いました。サバナゲートでの最初の滞在期間が終わりました。ソンカンの誠実な人柄と指導力はりっぱです。ソンバッティの情熱はわかわかしくと、達人たちの底力やまだ10代の人達の手慣れた仕事ぶりはとても頼もしく、ブントンさんのユーモアで心のなごむシーンも数多くありました。織物を通して触れたラオスの人々は、言葉を越えてとても暖かく肌にしみています。

 

 

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